合計5度の優勝や、素晴らしいプレーの数々以外、コービー・ブライアントを思い出した時に出てくるものはない。
『ジョーダンが認めた後継者』というものもコービーの偉大なキャリアに華を添えるが、それらに勝るとも劣らずコービーのNBAでのキャリア全てを表現できるものがある。それはコービー以上に報道されたプレーヤーがいないほど“稀代の努力家”であったということである。
今回はコービーの努力にまつわるエピソードを可能な限り掲載したい。
(※以下はビジネスインサイダーに掲載された『コービーのワークエシック(練習熱心さ)』という記事と、私が2013年9月に投稿したものをベースに、加筆・修正をしたものである。)
①2013年4月12日の対ウォリアーズ戦でアキレス腱断裂の大怪我を負ったコービーは、その八ヵ月後にはレイカーズのスターティングラインナップに名を連ねた。コービーのようにベテランプレーヤーともなれば、“怪我の種類や向き合い方”ももちろん熟知しているが、だからこそコービーがアキレス腱断裂という怪我を軽んじるわけもなかった。
そしてコービーはよく知っていた。怪我の種類や向き合い方以上に、練習熱心さやバスケットボールに対しての勤勉さは、何よりも怪我の“特効薬”となることを。
怪我の手術からリハビリ期間を経て、接触なしの練習を医師から許可されるとすぐに毎朝4時に起床し、個人での練習に励んでいたコービー。並みのプレーヤーなら怪我の再発に対して一番ナーバスになる時期に、コービーは半重力トレッドミルというランニングマシーン(下載動画参照=腰から下の部分が空気の入ったビニールで覆われており、下半身を加圧。そうすることで体重の約80%を支えてくれるようになる。宇宙から帰還して間もない宇宙飛行士たちも使用するリハビリ用ランニングマシン。)で、トレーニングを始めた。
②高校時代、チームメイトを部活動前後に呼び出し、100点先取の1on1を強要したコービーだったが、プロになってもその練習熱心さは少しも衰えなかった。
レイカーズがチャンピオンとなった2000-01シーズン。フリーエージェントとしてレイカーズの一員となったアイザイア・ライダーに対して、コービーはほぼ毎日チーム練習後の1on1を強要した。翌年ライダーが移籍し、代わりに移籍してきたミッチ・リッチモンドにも同じ1on1を強要した。のちにリッチモンドがこの〝特練”について『コービーがチーム内でのマウンティング(格付け)にこだわったからだ』とコメントしたが、理由はどうあれチーム練習後ほぼ毎日、1時間以上の時間をかけて個人練習をするプレーヤーの話はあまり耳にしたことがない。(下は2人の〝被害者”)
④袂を分かつことになった元チームメイト、シャキール・オニールの著書『Shaq Uncut』に書かれたコービーの練習に関して。
『オレが体育館に行くと(その当時、インサイドを主戦場とするビッグマンは、〝ポストプラクティス”という初歩的な練習を多く含んだ練習を、チーム練習前にさせられていた。)、コービーがボールを持たずにドリブルやシュートモーションの練習していたんだ。怪しい練習法だなと思ったが、その練習が役に立っていたのは、奴のプレーを見れば明らかだった。』
またシャックはそれとは別に、『コービーはほぼ毎日(日曜以外)、チームメイトの誰よりも3時間早く体育館に入り、オフェンスの研究などをしていた』とも書き残している。
⑤『シーズン中は1日4時間、オフシーズンは1日6時間』といわれる常軌を逸したコービーの練習量とそのメニューについて。
トレーニングルームに入ってすぐに1時間のランニングからはじまる。減量(膝への負担を軽減する為)を意識した比較的ゆっくりとしたランニングでしっかり汗をかいた後、HITトレーニング(100ヤード全力疾走し、その後100ヤードはゆっくりジョギング。そして次の100ヤードは全力疾走という繰り返し)で関節と筋肉を温め、コンバージョン(コート内でのオフェンスとディフェンスの切り替え)とペネトレイトを意識したステップワーク各種で終了。
その後1時間程度のコンディショニング。このコンディショニングの内容は、関節の可動域を大きく柔らかくするストレッチにはじまり、バランスボールやチューブを使ったインナーマッスルを鍛えるメニューが中心。日によっては軍やNASAでも導入されているTRXサスペンショントレーニングなども実施している。
その後、ウエイトトレーニング(1時間程度)かシューティングトレーニング(同じく1時間程度)を行う。日によってどちらを先にするかが替わるだけで、ウエイトトレーニングもシューティングトレーニングも必ずどちらも行う。
まずはウエイトトレーニングの詳細なのだが、これは全てのトレーニングを行う者と同じく日によってメニューが替わる。
2012年シーズン序盤のウエイトトレーニングメニューは
月曜日:胸部+腕部
火曜日:大腿部+肩部
水曜日:脚部全般+腹部
木曜日:胸部+腕部
金曜日:大腿部+肩部
土曜日:脚部全般+腹部
の各部位の各メニュー10~12回×2~3セットという感じで行っているのだが、ここでコービーのウエイトトレーニングが中2日で同じ部位、同じメニューのトレーニングを行っているというのがポイント。このウエイトトレーニングの方法(1セットが10~12回の動作で、合計2~3セット)は、コービーが筋肥大(バルクアップ)を目的とせず、適度に筋肉に刺激を与える程度に抑えたルーティンとなっている。
これは、『筋肉を大きくすることで試合中に重さを感じたくない』『膝に負担をかけたくない』『シーズン終盤からプレイオフくらいの時期でもフレッシュさを感じたい』というコービーの主観から導き出された、コービーには効果のあるウエイトトレーニング方法であるように思う。
同様に、2012年シーズン序盤のシューティングメニューは
・ベースラインでのプルアップシュート
・ミドルレンジのバンクシュート
・エルボー(フリースローラインの端)のシュート
・ウイングからミドルレンジへドライブしてからのジャンプシュート
・ゴールを背中にした状態からのシュート
・シュートフェイク→プルアップシュート
・ヘジテーションからのシュート
・スピンムーブからのシュート
・ステップバックシュート
・キャッチ&シュート
・スクリーンを使った後のシュート
・スピードドリブルからのプルアップジャンパー
・あらかじめ決められた特定の動きをした後のシュート
・フリースロー
を休むことなく次々に実施し、更には自身の記憶に残る前日までの試合の中で、シュートを外したエリアのシューティングを含めたもので合計1時間としている。
ランニング・トレーニング1時間+コンディショニング1時間+ウエイト・トレーニング1時間+シューティング1時間の合計4時間。これだけの事をしてさらにここからチーム練習に参加するのである。
おそらく、これほど練習をしたプレーヤーはいないだろう。それも日曜日(稀に土曜日も含む)以外は欠かさずやっているのだ。もちろん、体のダメージや試合のスケジュールによってはプールでのトレーニングやコンディショニングに多くの時間を費やす事もあるらしいのだが、大体は上記の通りに行っているという。
1996年のドラフトで、1巡目13位指名を受けたプレーヤーだったコービーが、ここまで数々の偉業を達成できたのは、もしかしたら“高卒だったから”かもしれないし“彼自身、NBAでのプレーに自信がなかったから”かも知れない。
しかしそんな不安要素が、コービーをあくなき反復練習へと駆り立て、その結果、今のようなキャリアを積み重ねることができたのであれば、現役の後輩NBAプレーヤーたちだけでなく、我々にも偉大な何かを成し遂げられる機会があるのかも知れない。
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